イチオシレビュー一覧
▽レビューを書く多くの小説やエッセイの書き手は、作品を世に発表した後は、その作品の捉え方については読み手の自由、読み手の判断に委ねる、と考える人が一般的だ。しかしこの作者は少々違う。例えば本作は「いじめについて、一緒に考えてみましょう」の呼びかけから始まり、最後に「ご意見お待ちしています」という再度の呼びかけで結ばれる。この常に読み手と一緒に考察するというスタイルこそが、この作者の魅力だ。何故なら本作に限らず、彼の作品の感想欄は、いつも多くの論客たちの熱い意見で賑わっている。さて、本作は、この彼の呼びかけに総勢21名の論客が真剣に「いじめ」について考え、長文の感想を書いている。その全てに作者はクオリティの高い返信をしている。そう、本作は、本文、感想、返信までが作品なのだ。これからあなたが書くであろう感想すら、本作の血や骨になる。このエッセイはまだまだ成長を続けるのだ。なんだか生き物みたいなエッセイだ。
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