イチオシレビュー一覧

　この作品のどこが面白いかとなると、やはり主軸になっているモノづくりの過程に潜む、絶妙なリアル感と豪快な嘘、そして駄々洩れな作者の理想だと私は思う。
　主人公はＩＴ技術にちょっとだけ理解のあるただのツイ廃で、複雑な開発は専門のものに任せるし、どでかいブレイクスルーは外から雑にやってくる。起点は主人公だが、一つことを成したのは主人公一人の力ではないというのが、モノづくりの物語として嫌な嘘がなくとても読みやすい。
　そしてやはり醍醐味は、既存のモノにさらに手を加えていく段階で作者の理想が駄々洩れになっていく過程だろう。こういうのホント好きなんスよ。もっと書いて。
　登場キャラクター達も一人として埋没していないのも力量だ。特にTwitterのタイムラインにしか登場しないキャラまでバキバキにキャラだ立っているのはもうヤバイ。特に……いかん文字数が足りない！
　ほんとすごい作品だ。ぜひ読んで！