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これは庭づくりという小さな開拓の物語である! といったら大袈裟か? いやいや、読めば分かる。

  • 投稿者: Q輔   [2021年 11月 26日 22時 05分]
「自らの趣味を綴った文章」には総じてその趣味を愛するが故に、無意識に部外者を拒むような文章が多い。どっこい、この作者の本作は、読み手に優しく寄り添った至極の趣味エッセイである。庭づくりにさして興味のない人にも実に読みやすく、何故か徐々に興味をそそられる。そんな摩訶不思議なフォルムに仕上がっている。この絶妙な文章は、ひとえに理性と感性の双方を均等に兼ね備えた、この作者のお人柄が醸し出す産物かと思われる。この作者。一見して生真面目な理論派のようで、いつも肝心なところが程良く抜けているのである。とても憎めないおっさんなのである。一読すると、さも庭づくりの素人が書いたようなモーションであるが、実はそこそこ玄人分野のことを書いていたりする。まったく、計算なのか、天然なのか、よく分からないお人だ。これは庭づくりという小さな開拓の物語である! といったら大袈裟か? いやいや、読めば分かる。

庭作りは大冒険!

ある人が家を買った。
お手頃価格でこう立地なその物件には大きな庭があった。
荒れ果てた庭にしないように、きちんと整備しよう。
そう考えた筆者は庭の整備に取りかかる。

まさか、あんな苦労をするとは思わずに……



庭を整備する。
ただそれだけのことだが、業者を頼らずに自分でやろうとすると苦労が多い。

地下深く根を下ろした雑草。
土に混じるゴミ。
そして粘土質な土。

庭の土壌環境は最悪。
少しずつ掘り起こして改善していくのだが……



庭作り。
マイホームを夢見る人なら、必ず直面する課題。
もしあなたがこだわりの庭を自分で作ろうと思っているのなら、是非ともと読んで欲しい。

これは一種の冒険物語だ。
未開の地を開拓しているような面白味がある。

異世界ものとは違う、身近にある物語。
ちょっとした冒険を楽しもう。

そして、四苦八苦する筆者の様子も楽しもう。
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