イチオシレビュー一覧

この作品の作者である雨宮さんは、多くいる二次創作作者達の中でもズバ抜けて言葉の扱いが巧みだ。

幻想郷の中に溢れる暖かさを、最適な文量、言葉遣いで表現し、読者に伝えてくれる。

この作品で主人公を務める銀の狐、月見も又、作者と同じく言葉に長けた人物だ。確かに月見は紫達に並ぶ大妖怪。実力は幻想郷トップクラスだろう。しかしその実、月見の最も特化した武器は言葉だと思う。

帰ってきた月見が、幻想郷で新たに出会った妖怪達。彼は自分の信条から少しも逸れることなく、言葉を交わし、友誼を結ぶ。

戦いではなく、言葉で包容する、今までに見たことのない主人公。

ある時は、吸血鬼の誇りに胸打たれ

ある時は、不器用な天人の女の子に涙し

ある時は、引き篭もりの月人のあまりの愛らしさに悶える

これは、そんな銀の狐と少女達が織りなす、全てを受け入れる物語。

サイト閉鎖に伴い作者ブログに移転されるそうです。

妖怪なのに種族を越えて皆を愛せる、優しい狐の物語、と私は解釈しています。

細部までこだわり抜かれたストーリー、活き活きとしたキャラクター達が織り成すほのぼのとした幻想郷の日常に、どうして目を離すことが出来ましょうか。


文の統合性が高く、一話一話の質も高く読み応えがあります。ただ、戦闘を好む方には向いていないかもしれません。



笑いあり、感動あり、心温まる秀作に巡り会えた事を幸福に思いつつ、私は自信を持ってこの作品を薦めます。

東方界隈では珍しい、やたら性格が穏やかで大人な主人公。
しかし穏やかな性格ながらも、やる時はびしっと決める。そら皆惚れるわ。

読み易い文章に、良く考えられた主人公と原作キャラの関係(雨宮さんの暴走の結果とか言ってた気がするけどそんなの知らない)。

その中で特筆すべきは、各キャラの少女臭。巷でBBAと噂の紫さんと幽々子さえも少女っぽいという奇跡。
永淋？ああ、うん。

話の破綻も見えないし、これだけ長く続いているというのに全くだれない話の構成の上手さ。


東方二次創作の中でも上位作品と言っても問題は無いと思います。

あと輝夜は月見の嫁。異論は認めない。