イチオシレビュー一覧

内部が迷宮と化した謎の塔。その頂に旗を差せば、願いが叶う――。
この物語は、誰も踏破したことのない迷宮を突き進む探索者が主人公――、ではない。
その探索者に安全であろう道を示す、案内人の女の子が主役だ。
だからといって、地味かと言われれば、そんな事は全くない！バトルシーンは迫力満点だし、日常パートとでも言うべき塔の外の街の描写も完璧。更には謎や伏線も、これでもかと言わんばかりに盛り沢山だ！
いわゆるテンプレの類に飽食気味になった、そこの貴方！是非、本作を手にとってみてほしい。

求めていた王道的、そして本格派のライトノベルをご堪能あれ！

　実力はあってもいまひとつ契約相手に恵まれない主人公。クサらず営業を続ける彼女だが、シビアな生活危機はひしひし感じられた。

　そんな彼女の前に、謎めいた男が現れる。恐るべき拳の持ち主にしてなにやら特別な品を持っている。単純なようで複雑、明快なようで深刻な彼の存在感には思わずぐいぐい引き込まれるものがあった。

　舞台となる迷宮の設定も、ダイナミックで独創性にあふれており一読の価値は十分にある。雄大で危険をはらみ、ワクワクさを煽ってくること請け合いだ。

　詳細本作。

　この小説の主人公は案内人という役職で、冒険者を安全に導くことが仕事です。ダンジョンの罠や道を見極め、安全に案内することに関しては素晴らしいものであり、頭も良いです。しかし、それだけで活躍できるほど甘くはありません。謎の力を有していますが、その力で楽々俺TUEEEなんてことはなく、主人公は大変な目に合ってばかりです。
　相棒のレグルスは拳で剣を破壊するというぶっ飛んだ腕力を誇りますが、その力で人生イージーモードなんてことはありません。めちゃくちゃ強い彼にも出来ないことは沢山あり、主人公に助けられたりすることもあります。
　どこか闇と悲しさを感じ、優しくてなんでも抱え込んでしまうレグルス。そんな彼を支え、自分が出来ることを精一杯頑張る主人公のバディは最高です！
　互いが互いを助け合いながら己に出来ることを精一杯頑張って活躍していく素晴らしすぎる物語。これは読まなきゃ勿体無い！