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▽レビューを書くメルヘンな世界、ハルシュタットで紡がれる親子の絆
- 投稿者: 退会済み [2023年 01月 12日 21時 19分 (改)]
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タイトルにあるハルシュタットとは、ミュージカル映画『サウンド・オブ・ミュージック』のロケ地の名前です。
オーストリア中部に位置し、人口約700人の小規模な基礎自治体。
観光地としても有名で、毎年たくさんの人が訪れます。
主人公の『俺』は母親である『ランさん』に仕事で同行させられ、一人でハルシュタットをブラブラ観光します。
ちなみに『俺』は14歳未満の子どもです。自分の面倒は見れるけど、まだまだ子どもらしさが残るお年頃。
バリバリのキャリアウーマンなのに平気で『俺』を放置する『ランさん』。
割り切っているようで、心のどこかでは母親に甘えたいであろう『俺』。
センスのある言い回しやリアルな情景描写に、読んでいてまるでハルシュタットを観光している気分にもなれる本作。
タイトルの意味が分かった時、思わず胸が締め付けられる名作です。
オーストリア中部に位置し、人口約700人の小規模な基礎自治体。
観光地としても有名で、毎年たくさんの人が訪れます。
主人公の『俺』は母親である『ランさん』に仕事で同行させられ、一人でハルシュタットをブラブラ観光します。
ちなみに『俺』は14歳未満の子どもです。自分の面倒は見れるけど、まだまだ子どもらしさが残るお年頃。
バリバリのキャリアウーマンなのに平気で『俺』を放置する『ランさん』。
割り切っているようで、心のどこかでは母親に甘えたいであろう『俺』。
センスのある言い回しやリアルな情景描写に、読んでいてまるでハルシュタットを観光している気分にもなれる本作。
タイトルの意味が分かった時、思わず胸が締め付けられる名作です。
ミュージカル映画のサウンドオブミュージックの舞台となったハルシュタット。
古代から続く岩塩坑の街としても知られている。
そんな街を母親の仕事について行って訪れた「俺」
一人でも大丈夫だろうと放置される。
雨の降る街を一人歩く。
青い傘をさして、ぶらぶらと。
霧雨のカーテンで灰色がかる視界。
傘の色と似ているハルシュタットの湖も暗く澱よどんでいた。
もう十分だ、昼食を食おう。
俺はさほど高そうには見えないカフェレストランに入った。
色彩豊かな文体で語られる、一人の少年の物語。
その場にいるかのような臨場感と、美しいレトリック。
ハルシュタットの街を自分で歩いているような感覚が味わえる。
作中で出てくるニジマスの塩焼きがとてもおいしそう。
観光気分でお読みいただきたい一作です。
古代から続く岩塩坑の街としても知られている。
そんな街を母親の仕事について行って訪れた「俺」
一人でも大丈夫だろうと放置される。
雨の降る街を一人歩く。
青い傘をさして、ぶらぶらと。
霧雨のカーテンで灰色がかる視界。
傘の色と似ているハルシュタットの湖も暗く澱よどんでいた。
もう十分だ、昼食を食おう。
俺はさほど高そうには見えないカフェレストランに入った。
色彩豊かな文体で語られる、一人の少年の物語。
その場にいるかのような臨場感と、美しいレトリック。
ハルシュタットの街を自分で歩いているような感覚が味わえる。
作中で出てくるニジマスの塩焼きがとてもおいしそう。
観光気分でお読みいただきたい一作です。
素敵!
まごうことなく素敵!!
ハルシュタットの傘の青色は…犍陀多の糸のようには切れず…たくさんの読者をこの世界へ誘う鍵…
白とグレーと冷たい青と深い緑のヨーロッパ
オレンジ色の恵比寿とクリスマスカラー
目の覚めるような赤のハリウッド
淡いローズクオーツの夕暮れを身に纏ったニジマスの塩焼きは…塩の街と故国のお晩菜を結ぶ郷愁なのだろうか…
色が織りなす情景の中、日本をはさんで行き来する半分すれ違いの母子の心情が淡々とつづられている…
“当たり前の短編”のフリをして目の前に置かれたこの物語の奥深さに、ただただ圧倒されるばかりです。
まごうことなく素敵!!
ハルシュタットの傘の青色は…犍陀多の糸のようには切れず…たくさんの読者をこの世界へ誘う鍵…
白とグレーと冷たい青と深い緑のヨーロッパ
オレンジ色の恵比寿とクリスマスカラー
目の覚めるような赤のハリウッド
淡いローズクオーツの夕暮れを身に纏ったニジマスの塩焼きは…塩の街と故国のお晩菜を結ぶ郷愁なのだろうか…
色が織りなす情景の中、日本をはさんで行き来する半分すれ違いの母子の心情が淡々とつづられている…
“当たり前の短編”のフリをして目の前に置かれたこの物語の奥深さに、ただただ圧倒されるばかりです。
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