イチオシレビュー一覧

この物語は不幸な出来事に遭遇した女の子が成長していく話です。
何者かの襲撃にあった村。
そこで生き残った唯一の生存者。それが彼女なのでした。
彼女を保護した男性は街と街との間を行き来している様子です。
男性はとても良い人なのでした。
それは読み進めていくとわかっていくことでしょう。少なくとも幼い彼女を売り飛ばさなかったことからも彼の人柄がわかるというものです。

　自分が「子供」ではなくなったことを実感するのは、身近な人や周囲からの目の色が変わった時なのでしょう。男も女も大して変わらないのは子供のうちだけであり、例え心が幼くとも、身体が大人に近づいていくにつれて、その子は否応なしに子供ではいられなくなっていく。

　とある屈強な男が旅の中で拾った、痩せ細った幼い子供。その子は男と共に過ごす中で、気付かぬうちに「子供」から「女の子」、「女の子」から「女」へと変わっていた。
　もう子供ではないのなら、女であるならば、今まで通りではいられない。そんな男の言葉を拒む彼女が選んだ、1人の女としての人生とは……？　その結末をぜひ、皆様にも見届けて頂きたいと思います。文体やストーリーもスッキリと纏まっていて、読みやすい作品ですぞ。