イチオシレビュー一覧

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淡々と美しい、どこまでも"無関心"な世界

以下、好きポイントの列記です。

・タイトルの言葉選び
僕ら『は』寝る、というところに、彼らの孤独感を嗅ぎ取れる感じが好き。「あとは知らないけど。さよなら」というニュアンスがある。

・4人のひととなり
が、よく分かる。そして好感が持てる……というよりも、どうあっても同情してしまう。ライトな描写の中に、彼らの傷がくっきり刻まれている。全てが全て、日本のどこかで常に起こっている『よくあること』。

・綺麗
先述の傷が淡々と描かれている。彼らは一度も、自分を「不幸」と言わなかった。次はもっと幸せな状態で。彼らの目には星が映っている。

・余韻
一番の主張を言葉で書ききらない。一つの筋(主張)が通っていて、それを常に空欄にしている。
読者は、その空白に自分の傷を重ねる。

詩的な言葉になってしまいましたが詩的な作品だからご容赦いただきたい。

素敵な短編でした。本当に初めてですか……?
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