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骨太ながら素直で読み手を選ばない本格的SF

これは骨太な本格的SF小説です。それでいて、読み手を選ばない。誰が読んでも理解でき、楽しめると思う。

自殺というワードがあるので二の足を踏む人がいるかもしれませんが、病的な心理描写や感傷なんかはありません。

これは人が生きるために必要でありながら、人を生きさせて搾取しようともする『社会』に反抗を試みる1人の少女を描いたディストピア小説です。そしてこの紹介は実は間違っており、最後にオチも用意されています。

自殺の名所『自殺党』が観光名所になっており、自殺名所土産なんかも売られている。その最上階へと昇って行く1人の少女。彼女はとても強い意志と身体を持った『人間』で……。

これ以上書くとネタバレになってしまいますが、オチがわかったからといってこの作品の価値は失われません。

SF好きであるないに関わらず、非テンプレの面白い作品を探していらっしゃる方に激しくお勧めいたします。
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