イチオシレビュー一覧

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罰ゲームのような人生を生き抜いた主人公の切なる願いが胸をうつ作品

 死ぬはずだった命を悪魔に救われ、「嘘を百回つくと、お前は死ぬ」と告げられる主人公。
 ささいな嘘、大事な人を思っての嘘――嘘をつくことは全て、死へのカウントダウンとなる。

 就職の面接でも嘘がつけないという難儀な人生……ではあるのですが、そんな生き方しかできない主人公を好ましく思ってくれる人達もいる。
 そんな生き方しかできなかったからこそ、手に入ったかけがえのないものがある。

 九十九回目の嘘の後、自分を大事に思ってくれている人のため、もういっさい嘘はつかないと決意する後半からラストまで。まさに命懸けの主人公の思いが胸にせまる短編作品。ぜひご一読を!
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