イチオシレビュー一覧

▽レビューを書く

いつか必ずまた会えると信じて、ときは流れる。

酒場で働くフランは、雨の日に駆け込んできた騎士レイと言葉を交わす。
それをきっかけに、二人は少しずつ親しくなっていく。
レイはとても優しい人で、でも何か普通の騎士とは違う。何か隠していると思っても、レイに惹かれていった。
そして国には不穏な空気が流れはじめ、戦争が起こる。

レイが隠していたこと、秘密を知った上でフランが選んだ答え。
そして戦の先にあるのは。

何年かかっても約束を果たし、幸せになってほしいと願わずにはいられない。切なく胸を打つ一作です。

忘れてしまった恋の切なさを思い出す

王都の酒場。
居心地のいいその職場で働くフランは、帰宅時に突然の雨に襲われる。

そこへ現れた一人の騎士。
自分と同い年のその小片はフランを雨から守ってくれた。

騎士の名前はレイ。
彼はフランが職場から帰宅するたびに、送ってくれるようになった。

次第に深まっていく二人の関係。
その距離はどんどん縮まってゆき……。



美しい文体で紡がれる恋愛模様。
どこか懐かしささえ感じるこの物語には、混じりけのない純粋な恋心が描かれている。
二人の関係がただただ愛おしい。

だからこそ、後半の展開が切なくてたまらない。
想像力をかき立てるラストは、読者の心をつかんで離さない。

最初から最後までじっくりと読み込んでほしい。
心に染み入るような物語に、忘れてしまった恋の切なさを思い出そう。

純文学x異世界恋愛、これはもはや「純文異世界恋愛」!!!

  • 投稿者: 島猫。   [2022年 01月 15日 07時 23分]
圧倒的な文章力で描かれる異世界恋愛。
ストーリーは異世界恋愛物の王道を行く感じですが、読みごたえが凄い!
言葉の1つ1つ、文章の1文1文が素晴らしく、良質な純文学を読んだ時のように、胸にじんと染み込んで来ます。

夜、仕事(王都の酒場の手伝い)帰りの女の子がいて、急な雨に降られて、たまたま居合わせた騎士様が雨から守ってくれます。そこから、夜は酔っぱらいもいて危険だからと、家まで送ってくれる日が続いていくのですが……。

ざっと粗筋を書きましたが、本物の作品はこんな薄っぺらくないんです! とっても深くて濃厚なんです! 文章からにじみ出る雰囲気が何とも言えないくらい、とにかく凄いんです!

「ジャンル:異世界恋愛には興味無い」という読者の方、この作品は目から鱗が落ちるかもしれません。
これまでの異世界恋愛に持つイメージがガラリと変わるような作品で、ちゃんとキュンある異世界恋愛作品なのです!

↑ページトップへ