イチオシレビュー一覧

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なろうファンタジー×古き良き外国ファンタジー×昭和ライトノベルの先駆けのミックスジュース

タイトルに書いたような印象を受けました。

序盤は典型的なろうファンタジー転生モノ。
学園や王都ですったもんだするうちに、次第にライトノベルという言葉がない時代の、ライトノベル先駆けファンタジーの匂いがしてきました。
魔族の領土へ向かった頃には、古き良き時代のファンタジーの匂いがしました。

これらが違和感なく混ざり合い、美味しく出来上がっています。

主人公アルはなかなか殺伐としているけど、出身領の独自的な情もあり、憎めないキャラです。俺TUEEEです。

「なんだ、転生前のゲームストーリー追ってくだけかよ」なんて思う勿れ。
世界の謎、アルが世界から与えられた役割は「〝物語〟が終わる時」に解きほぐされて行きますが、まだまだ私の頭では理解が伴ってきません!複雑!

納得行くまでアルに大胆に突っ走って欲しいです。

冷酷寄り思考派地方貴族系蛮族、都会・貴族社会にうなる

  • 投稿者: 戸手藻   [2022年 01月 30日 09時 49分]
 魔物が強過ぎて領主まで脳味噌が蛮族に染まり切った地方に生まれたのは、この世界のゲーム知識も怪しい前世中年越えの主人公。冒頭を除きこの主人公かなりのオッサン。
 とは言え、セクハラパワハラ紛いの言動で笑いを取ろうとしたり、若者にとってなんとも絡みにくい歳を取った自虐をするわけではない。歳を取って人間関係を擦り切らしたかの様な接しにくさがあるのだ。思考の沼によくはまる割に有事の判断は素早く、敵対者への容赦の無さは有能な敵の中間管理職にも見える。

 敵として魔族が登場する世界だがそちらも人類側も一枚岩ではなく、まだ敵の全貌も見えない。この物語が、主人公が今後どのように動いていくのか予測がつかないが、導かれたようにできた仲間と切磋琢磨し和気あいあいと進んでいく物語ではなく、社会的で合理的な放し飼いの蛮族がファンタジー世界で何に噛み付くのか、観察する事に興味を持たれたらぜひ読んでみて欲しい。
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