イチオシレビュー一覧

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退廃的な終末世界で生きる少女四人の、ランタンの穏やかな灯りにも似た癒し。こんな世界だからこそ、きっと幸せが引き立つのです。

旧文明以降、植物由来の異常新生物"イントレア"に支配された地球では、富裕層のアイリスと貧困層のエステートというパワーバランスが確立されていた。

それぞれの出身である少女四人で組織された『マエストロ』は、報酬しだいでどんな依頼も請け負う、いわば何でも屋。そんな少女たちは、ヴァリアントと呼ばれる異能力者だった。

前衛担当、ムードメーカーでリーダー格のカノン。同じく前衛担当、唯一のアイリス出身であるフィーネ。そして後衛担当、メカニックのコルト。同じく後衛担当、料理上手の狙撃手、ドルチェ。

日常的な掛け合いのなかにある癒しと、一転した戦闘シーンの緊迫感。娯楽の消えた日々のなか、手のひらにある幸せを漏らすまいと、彩りを見出しながら終末世界を生きる少女たちの物語。

しかし穏やかで楽しい日常の途中には、四人を狙う陰謀があって──?終末世界の退廃感と癒しがマッチした一作。
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