イチオシレビュー一覧

最初と最後、繰り返される文章が彼女たちの心を雪に反射する日光のように鮮烈に表しています。
なんといっても心理描写の丁寧さに目を見張ります。自らを偽ること、嘘をつき続けることを日常に纏う凛香。青い心に友人、つまりは他人を拒絶する透明な刃が独り輝き続ける。しかし運命の別離は突然現れ、少女たちは人間の生きる世界を最後まで拒絶した。
故伊藤計劃の「ハーモニー」を想起させる、若く青い魂の拒絶の作品でした。

この作品を読み泣けました。

この作品の主人公が、親友の死に対して自らが下した決断。それは、確かに正しいとは言えない。
だけど、今まで親友と同じ道化という仮面を被っていた主人公。彼女にとっては、これで良かったのかもと思いました。

ただ、これはあくまで物語。実際にはあってほしくないと思い、ゾッとしたのも事実です。

ですが共感できる内容ですので、皆さんも読んでみて下さいね。

短編で読みやすく、泣ける物語です！

　これは少し重い話です。
　ですが、それでも面白く、考えさせられ…。
　最高傑作の純文学小説だと私は思います。

自分の考えていることを表に出さず、偽りの思いを醸し出し、道化芝居を続ける主人公。
友人のことも、快くは思っていませんでした。
それでも突き放さず、道化芝居を続け心のなかでため息を付きながらも友人と接する。
私たち日常にもそんな情景は多いのではないでしょうか？
面倒になるからはっきり言わず接する。
腐れ縁だから何も言えず付き合う。
それは本当の自分の思いを伝えず中に秘めているお芝居事。
それを道化と比喩し描いています。
そして主人公はある事件をきっかけに気づきます。
自分以外にも自分以上にも道化をし、上手く演じている人がいたということを…。
自分の思いを表に出さず偽りの思考で塗り固められた自分の劇場を目の前にして、彼女たちはどのような行動をとったのでしょうか？

とくとご覧なれ…