イチオシレビュー一覧

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本当の言葉で書かれた嘘のお話

 目次を開いてまず思うのは各話タイトルのセンスの良さ。
それだけでもう目が「幸せである」と訴えかけてくるような気がした。
特に二章の各話タイトルについては作者のセンスが大いに奮われているように思えて、早くそこまで読み進めたいと思う程だった。

 ディストピアのその先を書いているのがまた面白い。
主人公達が追われる身であるという、中終盤で使われる事が比較的多い展開を最初に持ってきながらも、転移という展開によってそこに目新しい始まりを演出しているように思えた。

 とにかく本作は作者が一生懸命物語と向き合っている事が伝わる内容になっているように思えた、大事にされている物語だと感じる。
地の文には溢れんばかりの熱量が込められており、登場人物達への細かな愛もまた伝わってくるように思えた。
設定が複雑故に執筆も難儀だろうと思えるが、それでもしっかりと向き合い続けている作者には賛辞の言葉を贈りたい。

ミステリーではないけど、映画を観ているような予想がつかない謎解きはいかが?

私と同じ神視点でのおはなし。
 神視点だとやっぱりあれだね。

 本当に、情景の一瞬一瞬の詳細が鮮明に浮かびあがってきますよね。しかも御作、読み安い上にすごくミステリアスな雰囲気、これから何が起きるのか全く予想が着きません。

まるで推理小説を読んでるような謎解きをしている気分です。
 映画を観るようにゆっくりとおはなしを感じたいひとにオススメします。
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