イチオシレビュー一覧

　約60万字、書籍にしておよそ6巻にも及ぼうかといった文量がたった一日に集約されていることに驚きを禁じ得ない。幾つも散りばめられた伏線に、際立つ何人もの魅力的な人物達、まさにここまで読んだ読了感はなるほど6巻分にも相当するというものだ。これで序章というのだから完成する作品がどれほどの大作になるのか考えるだけでも胸躍ることだろう。
　さて主人公は正にサイコパスというべき過激で冷徹な人間である。しかしそんな主人公の感情が豊かにも思えるほどの感情描写によって、何故か感情移入できる気がしてくるのが不思議なところであり、またこの作品の一つの魅力なのである。
　その様な主人公とそれを取り巻く個性あふれる人達の織り成す、非日常な日常を味わいたい方に是非勧めたい。