イチオシレビュー一覧

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こんな家族に憧れる

  • 投稿者: 日暮   [2012年 03月 25日 17時 44分]
純粋な恋と、静かな愛がつまった作品です。
お互いを心から信頼し愛し合っていたからこそ、最期までともに人生を歩んでいけたのだなとしみじみ感じます。
理想の夫婦像は人それぞれですが、二人のような人生を送ることができたなら、誰もが幸せと感じられるのではないでしょうか。
燃えるような恋もいいけれど、落ち着いた愛も素敵だなと思わせてくれるすばらしいお話でした。

忘れないで、思い出して、覚えていて……。美しい短編です。

  • 投稿者: プー太郎   [2011年 06月 23日 23時 44分]
 昔気質で亭主関白。愛想がなければ、気の利いた言葉一つも贈れない。
 古き良き時代で一家の大黒柱として厳しく生きる男の、見えない愛情の羅列。

 日記で綴られるのは、そんな夫の言葉に出来なかった想いの形である。
 生涯唯一人の妻に対する深い愛が、そしてそれを伝えられない男の不器用さが、日記を通して瞼の裏に浮かび上がる。
 しかしながらこの短編をより色鮮やかに彩るのはいつも夫を信じ、愛し、支え続けた妻の存在だろう。
 彼がどれだけ男らしく不器用だったのか、同時にどれだけ妻を愛していたのか、彼女はちゃんと感じ取っていた。


 不変の愛の永遠性。
 人と人とが想い合う事の貴さ。
 今ではあまり見掛けない純粋で直向きな愛情が、染み入るように突き刺さる。


<余談>
「Summer-菊次郎の夏-」(久石譲)を聞きながら読むと、最後の妻の独白で涙腺崩壊しました。

こんなジジイになりたかった

  • 投稿者: nakagawa   [2011年 06月 03日 03時 29分]
このお話は若い方には多分理解できないかもですが、とても良い話だと思います。

出来るならこんな爺になりたかったです。
一昔前にはたくさん居たんです。
不器用だけど、真面目でまっすぐで愛情溢れる男性が。
そして、そんな不器用さも愛しく思えて愛の言葉さえ貰わなくても夫からの愛情を疑うことのない女性もいたはずです。

もし生まれ変われるならばこんなジジイになりたいと私は思うのです。
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