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哀しく、寂しい物語です。そのためなおさら思い出は輝くのかもしれません。

  • 投稿者: 水渕成分   [2022年 06月 30日 21時 51分]
知様主催の「ビタミンカラー祭」企画参加作品です。

6140字のヒューマンドラマ。ほのかな恋の香りもします。

主人公は二十歳の青年。農業に携わっています。彼はたまたま登った小山の奥で蜜柑畠を見つけます。そして、そこに佇む美しい少女も。

青年は少女に心を奪われますが、少女は心に傷を負っているらしく、なかなか打ち解けてはくれません。

青年は蜜柑畠の手入れと称し、少女に頻繁に会います。

徐々に徐々に心を開いた少女と青年に起こったこととは。

それは実際に読んでお確かめください。

哀しく、寂しい物語です。そのためなおさら思い出は輝くのかもしれません。

色鮮やか風景、一歩一歩近付いていく距離に心が躍ります

ビタミンカラー祭企画参加作品。
それもあって、とても色鮮やかな風景が目に浮かぶ作品です。
文章を読んでいくなかで世界にどんどん色がついていくような感覚に引き込まれていくのです。


1人の男性が農作業の息抜きに山を歩いていき、その頂上に到着すると一面の蜜柑畠があります。
そして、そこに1人の女性が佇んでいるのを見つけるのです。
その女性の美しさにのまれていると、女性は男性を冷たくあしらいます。
それを受けて男性はすごすごと帰途につくも、美しい女性のことが忘れられなくなりました。

「また、会いにいこう」

そうして、2人の蜜柑畠でのやり取りは始まります。



色鮮やかな描写。
少しずつ歩み寄る2人。

そして、最後に待ち受ける結末とは……。


読んで良かったなと思える名作です。
ぜひご一読ください。
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