イチオシレビュー一覧

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ゴーストライターに甘んじていた少女、その彼女の選択とは――

地味だけど作詞作曲が得意な女の子。
作曲は平凡だが華があり美しい声を持つ女の子。
二人が組めば、短所を補い合いまさに“最強のふたり”です。

しかし、華やかな女の子は地味な女の子の手柄をも自分の物にしようとし、
地味な女の子も友達を失いたくないという思いで
ずるずるとゴーストライターに甘んじていきます。

やがて地味な女の子は相手の本性を知ってしまうのですが…。

こういった関係はどうしても地味な子が一方的な被害者に見えてしまいますが、
もっと毅然とした態度を取っていれば違う未来もあった、という見方もできます。

この作品のラストはスカッとはしつつもそういったところにも
きちんと答えを見出せるものになっています。
ゴーストライター少女の取った選択、ぜひご覧下さい。

本当のざまぁは「己自身」を斬る



 この作品は復讐のもつ、本来の残酷さを、作者自身の誠実さから偽ろうとせずに伝えている。
 それでいて、その復讐に「愛情」が溢れている。
 自分が誰かに都合よく利用されている。
 その現実から逃避せずに向き合う時、何よりも自分自身と決別せねばならない。
 利用されると同時に相手に依存する己自身を斬ることが出来なければならない。
 その苦しみを作者様は厭うことなく書き上げている。
 それで尚、登場人物全ての幸せな未来を願わせてくれる作者様の力量はまさに天才のそれだ。

 素晴らしいカタルシスに浸れる。天才のもたらす、本当のざまぁをご一読して見て欲しい。
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