イチオシレビュー一覧

本作の視点人物は製薬会社の薬剤研究室に勤める上原美里さん。
画期的な頭痛薬を開発した事で20代の若さで主任研究員に任じられた、とっても優秀な研究者です。
そんな上原さんは新薬の開発プロジェクトを任される事になったのですが、その新薬とは何と万能薬のポーションだったのですね。
全ての怪我や病気に効く万能薬。
そんな現実離れした新薬の開発に、彼女はどう立ち向かったのでしょうか。
「無茶振りシリーズ」の1作である本作は、ポーション開発という無茶振りに対処する若き研究員の試行錯誤と努力の物語で御座います。

主人公の美里は製薬会社に勤めています。
非常に優秀な彼女は社内でも高く評価されているのですが、そんな彼女に或る日部長から「ポーションを作ってくれ」との依頼が……。
現代の日本で、果たして美里はどうやってポーションを創り上げるのでしょうか？

タイトル・題材からして魅力的過ぎる本作ですが、リアルな設定とファンタジー要素の絶妙なバランスが秀逸です。
勤め人の立場から、優秀な開発者の一風変わったお仕事小説として楽しませて頂きました。
どうやってポーションを創り上げるのかという経緯は勿論のこと、その後も予想だにしない展開が続き、本作が作者さんの初小説というのですからびっくりです……！
ローファンタジー作品としてもお仕事コメディーとしても楽しめる本作、是非是非ご一読ください。

この物語には、タイトルにもあらすじにも文中にも登場しないある重要なワードが隠されている。そう、これは、現代社会で覚醒した「聖女」の伝説である。

ストーリー展開として、よくある聖女の物語では、序盤で要人を救う展開からはじまるのが鉄板ですが、この物語では会社の上司の無茶振りから始まり、最終的に要人を救い薬師として成功する。現代風聖女の形に収まるような逆順の展開となっています。

が、逆順というか、これは恐らく、はじまりと考えてもいいのかも知れません。明らかにこの物語は、国家レベル、世界レベルさらに、異世界へと活躍の場が移っていく素材でありまして、今後の展開が楽しみな作品だと思われます。（あ、希望的観測を含みますｗ）

短い時間でしたが、読んでみてとても爽快でした。

素晴らしい作品と、それを生み出した作家に感謝を。

無茶ぶりは無茶ぶりでも、もしあなたがある日会社で部長から、「ポーションを作ってくれ」と突然言われたら、どうしますか？！

主人公の美里は、製薬会社に勤める研究員で、研究ばかりの毎日を送っています。ある日、部長に呼ばれて言われた言葉は、「ポーションを作ってくれないか」。

え？あの異世界に出てくるあのポーション？？
理由は内密、期限は半年、そして一人でーーこれは、そんな無茶ぶりに、正面から取り組もうとする研究員の物語です。

はたして美里は、本当にポーションを作ることができるのか？一つひとつ手がかりを把みながら研究に没頭する姿はさながら「魔女」のようで……テンポの良い物語は、予想できない展開へと進んでいきます。

一度読み出したら止まりません。結末まで波瀾万丈の全7話を、どうかお楽しみください。