イチオシレビュー一覧

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無駄のない文章と流麗な話運びに感服

たった18,386文字、全7話。
それでこの美しい話を書ける作者様を称えたい。

物書きをしている方、特に冗長な話を書いてしまう方にこそ勧めたいお話。
すべての描写をしなくても、伝えることはできるんだよ、と。

話の視点は放蕩息子である元王子が、意に染まぬ結婚を強いられるところから始まります。
きっと異世界恋愛で主流のでろでろの溺愛物語になるのだろう、と予想させられる導入。
そしてこの静けさを湛えた終わり。泣いた。
この短さで、この起承転結をすっきりまとめられる手腕に脱帽。

物語としての完成度がすばらしいだけでなく、書き手として学ばされました。
もちろん、書き手じゃない方にも自信を持ってお勧めします。
ぜひ読んでいただきたい作品です。
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