イチオシレビュー一覧

▽レビューを書く

どんな変態性癖の持ち主同士でも、お互い好きならそれで良し!

 とある子爵令嬢が魅了術を使い、耐性があったはずの王太子やその側近を魅了、専門家の目すらも誤魔化すプロ中のプロだったのです。

 しかしその魅了をたった一人打ち破った者が。
 それは主人公令嬢シエスの婚約者であるロエムという男。しかしどうやら彼は婚約者を愛していたから魅了に対抗できたわけではないようで……?

 ヒロインもヒーローもそれぞれ変態ですが、ちゃんと恋愛ですしハッピーエンドです。
 面白いのでぜひ読んでんみてください!

地上の英雄よ、天空の愛よ

 愛とは説明できないものである。魅入られたら、凡人に抵抗する術(すべ)はない、多分。
 魅了の術とは、ある種の災害である。下々の者は、ただ過ぎ去るのを待つしかない。祈り、願い、英雄の出現を夢見るしかないのだ、多分。

 英雄は現れた。「真実の愛」をもって魔女の誘惑を跳ね除け、愛を貫いたのだ。
 人々は褒め称える、英雄を、その愛を、その尊さを、その気高さを。
 だが、英雄とは孤独な存在である。誰も英雄を理解できない。人でありながら別の世界を垣間見てしまったが故に、多分。

 だが、物語には救いがある。地に足をつけたまま、天上を望むことも可能であると示してくれるからだ、多分。
↑ページトップへ