イチオシレビュー一覧

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私は、もう……これしかないんだ(◞≼⓪≽◟⋌⋚⋛⋋◞≼⓪≽)

主人公は、絵を描くのが好きな少女だった。
そしてその才能を親に期待され、彼女はとある絵画塾に通う事になる。

しかしそこの塾は、ちょっと変わっていた。
デッサンのモチーフに、牛の頭蓋骨を選ぶ頻度があまりにも高かったのだ。

なんだか不気味に思える主人公。
故にデッサンの時、彼女は必ず頭蓋骨の裏側に回り……その目を見ないようにしていた。

しかし、ある日。
夏期講座のキャンペーンで、1人の少女が新たに入塾し、センセイから高評価(意味深)を得て。

そして主人公よりも牛の頭蓋骨を、しかも正面からのアングルで描くのが上手かった、塾で知り合った女友達が、その少女の二番手に墜とされたその時…………想像を絶する、ヒトの狂気が顕現した!!!!(◞≼⓪≽◟⋌⋚⋛⋋◞≼⓪≽)

誇り、自負、承認欲求。……そして人の欲

今を煌めく女性画家へのインタビューという形式で語られる話。

主人公の葉子は、絵を描くのが大好きな子どもで、習い事は絵画教室。
小学生の頃には全国コンクールで佳作に入選するほどの腕前を持つようになり、将来は画家になると周囲から喜ばれていた。

そんな葉子が中学の頃通っていたのが、デッサンや油彩画を教えてくれる隣駅の絵画塾。

そこで出会った凛音は、デッサンの技術に誇りを持ち、一番の実力と自負し、しかしながら、絵画塾の先生は夏期講座のキャンペーンで入会した鈴木さん(仮名)ばかり褒める始末。


誇り、自負、承認欲求。
満たされない、思い。


そんな中、小さな出来事が事件へと発展して……。


醜い大人の欲が怪異を生んだのか。
思いが膨れ歪み怪異へと成ったのか。


報われない少女の気持ちに苦しくなるような作品でありながらも、想像の余地も残されているようで強く惹かれた作品でもありました。

牛の頭蓋骨が目撃した、若き画学生達の恐怖譚

主人公の葉子さんは、小さい頃から絵を描く事が大好きな女性です。
全国コンクールで佳作入選を果たすという輝かしい小学生時代を送った葉子さんは、中学進学を切っ掛けに隣町の絵画塾へ通い始めたのですが、それが彼女の運命の転換点でした…
家紋 武範様御主催の「牛の首企画」の参加作品である本作は、人の心の闇と怪奇現象という2種類の恐怖が描かれた、1粒で2度美味しい読み応え抜群のホラーで御座います。
デッサンモデルとして据えられた牛の頭蓋骨は、その虚ろな眼窩で果たして何を見つめるのか…
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