イチオシレビュー一覧

市民が毎日ひとりずつ、奇妙な詞を添えられて殺害されるポエマーbot事件が横行する中、１９歳のヒモ男・正念坂ユウの元に女子高生が訪ねてきた。
彼女は２年前に行方不明となったユウの恋人・由莉園の妹・有紀暮であり、彼女が言うにはポエマーbot事件に添えられている詞はかつて姉が書いたものらしい。
事件を追った先に由莉園がいる？有紀暮の誘いに乗り、正念坂ユウは事件の調査を開始する。


レビュータイトルに書いた通り、度数が高い割に飲みやすい【危険なお酒】のような作品かなって思いました！

理由は主人公の正念坂さんとその恋人、由莉園さんの質量の重さが作中の登場人物達に重大な影響を与えるだけでなく、画面越しの読者にも影響を与えるのではないか？とそう錯覚させるものがあると感じるから。
特に10代～20代はガツンときそう、それがいいかどうかは別として、そういう凄みのある作品でお勧めです！

凛野冥さんの作品の最大の魅力は、つまり露悪趣味に尽きる。
無論、悪い意味では断じて無く、良い意味での露悪趣味に徹底的に昇華出来ており、そしてその露悪趣味は例外無く重要な意味を持つ。
特に今作『二足歩行のガトーショコラ』内に於いて注目すべきは、その露悪趣味の数々にすら一種の気高さと美しさを感じさせる点にある。
今回珍しく(と言うより初では無いだろうか)凛野冥さん自らが声を上げてお勧めなさっている今作は、凛野冥さんのお勧めが決して思い上がりでも大袈裟でも無い事は読み終えた読者の一人として保証させて頂きたい。
凛野冥さん、これからも凛野冥さんの作品の数々、凛野冥さんの御活躍を陰ながら応援させて頂きます。
【個人的な今作のMVP】
本人曰く絢殿バイク、或いは絢殿チャーシューに恐らく見た目と雰囲気だけで一方的にレッテルを貼られ、主人公からもそれかブタの二種類しか呼ばれなかったラーメン王を推したい。