イチオシレビュー一覧

1話を読んだ瞬間に「これは好きな話だ！」と思いました。
「見えずとも」の時もそうだったのですが、黛作品には、読んだ瞬間びびっときて、どうしようもなく好きになり、何度も何度も読んでしまうお話があります。感想欄を拝見したところ、私に限ったことでもないようです。

痴れ者、不格好、歪、というようなキーワードがちりばめられてはいますが、その本質は一途で、ただただ互いに向かうひたむきさだと思います。私自身がヤンデレと真面目と一途の区別が今一つつかない人間なので、そのせいによる感じ方かも知れませんが、ルパートとレシュマが互いに向ける愛、二人の間に紡がれる恋は、文字通りの「真実」であり、だからこそ美しいとも思います。

家族の在り方、恋人同士の在り方に、正解はないし、派手に出来事が動くドラマティックさだけが目に美しい物でもない、そんな魅力を湛えたお話です。