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タイトルが全てを物語ったような感慨深い作品

 宗教勧誘が上手く行かない中、声をかけたのは美しい女性。
 彼は彼女が話を聞いてくれるというので、喫茶店で話すことになったのだが、彼女から無神論者だと言われてしまい……。

 宗教やその神様を勿論信じるかどうかは勿論その人次第であるのですが、彼女は有神論者に対して神様を正当な方法で論破しようとするのです。
 その様子がとても淡々と書かれており、恐れさえも感じてしまうのですが、最後の結末が何とも摩訶不思議で余韻を残しました。
 タイトルが全てを物語ったようなとても感慨深い作品です。
 私達が思う神というのは一体何なのか、この作品を通して考えてみるのは如何でしょうか?
 面白い作品なので、是非今1度ご覧ください。

タイトルの意味を深く考えさせられる

  • 投稿者: MURASAKI   [2024年 06月 11日 16時 45分]
罪になると知りながら、男は美しい女性に声をかけた。
宗教の勧誘だ。

冒頭にさらりと書かれた「美しさに惹かれたと認めれば罪になる」という一文で、どのような宗教に入っているのか想像できる。
たった数行で何も書かずとも想像させる筆力に驚かされる。

その後も続く会話は、静かに淡々と正論を突きつける女に男は信心に対する自身を失っていく。
本当に静かに淡々と行われたかは分からないが、このあとに静寂であったことが分かるある描写がされている。

たった一音が状況を想像させるのだ。

思わず息を飲んでしまう描写と女の発言に、作中の男のようにハッと我に返ることだろう。

短い話だが、冒頭から話の雰囲気に浸かることができ、読了後の余韻まで神がかった美しい作品。

無神論者とチーズケーキ

  • 投稿者: 長尾   [2023年 02月 19日 12時 20分]
このお話はとても短いです。

しかしとても濃密です。

宗教団体のひとりである男が、『お話』をするために街で声をかけた『彼女』はとても美しい人でした。美しかったから声をかけた、と言ってしまうと罪になるのでそのように認めたくはない男ですが、そうであるのに違いはないのです。

コーヒーとチーズケーキを注文し、一切手をつけていなかった彼女。しかし彼女の話すターンになると一変。『わたしは無神論者です』と。そこからがとても痛快です。素晴らしいです。

このお話はまるで最近流行りのバスクチーズケーキです。とても濃密かつ、美味。

チーズケーキを食べる前に、どうでしょうか。

神様はいるのか?いないのか?いやそんなことはどうでもいい。大事なのは、これを書いた人がただ者じゃないってことですよ

  • 投稿者: ニコ   [2022年 12月 19日 10時 30分]
神様はいるのか?
いないのか?

貴方はどっちですか?


ちなみに私は、いちおう、いると思ってます。
神はいる。

ただ、その、いると思うにしろ、いないと思うにしろ
どんな風に、そう思っているのか。

単純に、願いをかなえてくれないじゃんかとか
いやいや、信心が足りないからだとか。

私ね、この物語見てて思うんですよ
そんな風に考えてる限り、
神様は、人に振り向かないんじゃないかってね

救いは、祈りは、そんなところにはないんじゃないかと

それを多分ですが、
最後の一言で、この作者様は言い表してるような気がしてなりません。私の解釈違いだと申し訳ないのですが、

ただ、もう、うん、余計なことは言わない。


読もう。読んだ方がイイ。それだけです。
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