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七回耕起は肥え要らず

 土を耕し穴を掘る。
 いってみればそれだけのエッセイだ。
 それだけ、というのに心地よさ、安定のようなものを覚える読後感がある。

 土を耕し、空気を含ませ、それと同時に植物の生育に不要なガスを抜く。
 著者がやわらかくした土には、植物はきっとぐんぐん根を張る。太い根も細い根も、土から栄養をうけとり、水分をもらい、日光を浴びて成長していくだろう。

 わたしはこの作品から「安心感」という栄養をもらった。

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