イチオシレビュー一覧
▽レビューを書く登場人物ふたり。それぞれの述懐と回想のみで語られる物語は、両者の関係を書きながら、テーマはかなり内向的なものだ。
すわなち、信仰である。神を崇める気持ち。神をどう捉えるかの考え方。ある男女の、信仰に関する気持ちの移り変わりを描写したものだ。
目の前にいる異性を神と見て、崇める。無私の敬愛を注ぐ。性愛などというものは必要なく、ひたすらに無垢な気持ちで信仰を深めていく。
信仰の対象が現実に存在し、肉体のある人間だというのが、ぎょっとさせるある種のグロテスクさを醸し出している。それこそが、登場人物の信仰が深く揺るぎないものだと強調する道具でもある。
ただし、人間は可変だ。広く信仰される神がそうであるように。
神のあり方が変われば信仰も揺らぐ。それでも根本に信ずる心があるなら、それはどう着地し、己の中で受け入れられるのか。決して美しいばかりではない信仰の行く先を探求する、迫力ある物語だ。
すわなち、信仰である。神を崇める気持ち。神をどう捉えるかの考え方。ある男女の、信仰に関する気持ちの移り変わりを描写したものだ。
目の前にいる異性を神と見て、崇める。無私の敬愛を注ぐ。性愛などというものは必要なく、ひたすらに無垢な気持ちで信仰を深めていく。
信仰の対象が現実に存在し、肉体のある人間だというのが、ぎょっとさせるある種のグロテスクさを醸し出している。それこそが、登場人物の信仰が深く揺るぎないものだと強調する道具でもある。
ただし、人間は可変だ。広く信仰される神がそうであるように。
神のあり方が変われば信仰も揺らぐ。それでも根本に信ずる心があるなら、それはどう着地し、己の中で受け入れられるのか。決して美しいばかりではない信仰の行く先を探求する、迫力ある物語だ。
この物語……そう気軽に言って良いかすらも躊躇する。
結局の所、私には最後まで主人公達に共感する事はなかった。
高潔なようでどこまでも汚らわしい、そして愚かなまでに否定的で一途だ。ここで描かれている神、信仰とはそういった相反するものと表裏一体だと印象付けられた。
今までに触れた事のない作品であった。
信仰という、ある種の深い沼に堕ちていく人間の様を見たい方は是非。
結局の所、私には最後まで主人公達に共感する事はなかった。
高潔なようでどこまでも汚らわしい、そして愚かなまでに否定的で一途だ。ここで描かれている神、信仰とはそういった相反するものと表裏一体だと印象付けられた。
今までに触れた事のない作品であった。
信仰という、ある種の深い沼に堕ちていく人間の様を見たい方は是非。
本作を読み終えレビューを書こうと思ったものの、言葉を打ち込んでは消す事を続けている。
これ程までに向き合う事が難しい作品と出会った事は無い。
けれど出来る限り向き合う事がこの作品及び作者への賛辞になると信じて、自身の言葉が正解にせよ不正解にせよ綴りたいと思う。
感情を揺さぶられた。
その時点で、本作は名作と呼ぶべき作品だ。
それだけは間違い無いと心からそう思う。
作者の他作品にも少し目を通したが、本作の圧迫感を感じる程に敷き詰められた文章は意図的にそうされているように感じた。
執筆のセオリーを知っているからこそ、あえて外している高次的な作品であると思う。
作者が技術を知らない筈が無いと評する自分もまた信仰の魔に魅入られているのかもしれない。
本作とこの場で出会えた事は奇跡的だ。
きっと紙の本で作者と出会う日が来るだろうと思う。
神の事は知らずとも、読めばきっと分かる事だ。
これ程までに向き合う事が難しい作品と出会った事は無い。
けれど出来る限り向き合う事がこの作品及び作者への賛辞になると信じて、自身の言葉が正解にせよ不正解にせよ綴りたいと思う。
感情を揺さぶられた。
その時点で、本作は名作と呼ぶべき作品だ。
それだけは間違い無いと心からそう思う。
作者の他作品にも少し目を通したが、本作の圧迫感を感じる程に敷き詰められた文章は意図的にそうされているように感じた。
執筆のセオリーを知っているからこそ、あえて外している高次的な作品であると思う。
作者が技術を知らない筈が無いと評する自分もまた信仰の魔に魅入られているのかもしれない。
本作とこの場で出会えた事は奇跡的だ。
きっと紙の本で作者と出会う日が来るだろうと思う。
神の事は知らずとも、読めばきっと分かる事だ。
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