イチオシレビュー一覧

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これぞ、本格派戦記物語の大傑作

  • 投稿者: ギルマン   [2024年 05月 03日 15時 21分]
 戦略・作戦・戦術、それらを縦横に駆使して戦が展開する。そして戦う者達の人間ドラマ。 
 本作はそのような展開が描かれた戦記物語の傑作です。それも大傑作です。

 戦略などは秀逸で、敵味方共にご都合主義に陥りません。
 登場人物は総じて魅力的で、彼らが繰り広げるドラマも面白いです。
 また、コミカルな展開もありそういう意味でも楽しめます。

 そして、極めて重要な要素となっている男女の関係。
 男を支える女。妻子の為に戦う男。女の為に人生を変える男。男に人生を狂わされ、何かを狂わせて行く女。
 そんな、男女の様々なあり様が戦にも影響を与えていきます。

 少なくとも、この作品は紛れもなく大傑作です。
 作者の方によると、既に完結まで書きあがっており、毎日投稿できるとのことです。
 読み始めるなら、今です。

 お勧めします。
 特に戦記物語に興味がある方は必見です。

2人視点から織りなす軍略物語 ※第1章時点

  • 投稿者: こん   [2018年 10月 17日 00時 01分 ()]
※第1章しか読み終えていません。
なんといってもこの作品の醍醐味は対立する2国の将軍(総司令)の2人の視点から、知略の限りを尽された戦争物語です。
序盤ではこの2人視点によって、人間関係や、登場人物の名前を覚えるのに苦労しますが、知将ディアス(36)には縁談を断るための口実から20歳以上年下の幼妻が出来たり、一方王子サルヴァには戦場で拾った兜をきっかけに自分の後宮に新しく1人の女性が入ったり、などと女性関係の話が続き、読んでいて飽きない話が続き、読み始めたら止まりません。
途中から戦争話に入っていきますが、読者は戦争を上から見ているような気分で読み進めることができ、徐々に2人視点の面白さが分かってくると思います。
個人的にはディアス視点が好きです。

なろうで最も優れた戦記

  • 投稿者: よよ   [2017年 12月 05日 23時 36分]
よく練られた戦術、戦略に予測不可能なシナリオ展開はまさに圧巻の一言。大小様々な国がそれぞれの利益を求めて争いあるいは同盟を結び、時に裏切る。もちろん国のなかでも権力のせめぎ合いがあってそれもまた面白い。
本格戦記として魔法もなければ現代兵器も現代知識もない。あるのは知将たちの圧倒的な魅力と複雑に絡まりあった権力者達の駆け引きのみ。
ぜひこの『愚者達の戦記』の世界に浸ってみませんか?

百万人という兵力がもつ意味

  • 投稿者: モルモル   [2015年 06月 14日 15時 22分]
 同じ文化レベルの国家による戦争があったとして、少しでも数が多いほうが勝つ。
 この作品は忠実にその原則を意識して、政治・外交・軍事といったことを巧みに書ききっている。

 一発逆転の魔法もなければ、相手を圧倒する新兵器もない。
 では、数の不利は覆すことができないのか。
 いや、歴史を紐解けば小が大を打ち負かす話は存在する。地形を利用したり、相手の不意をうったり。その方法論としてもっとも有名なのは「兵法」だろう。
 この作品では泥臭い戦いが多く、常に敵より多くの戦力を集めることに苦心している。だからこそ、戦力差を覆して勝利をもぎ取った者には、奇策家の称号が贈られるのだ。

 しかし、百万の兵を持つ国があるとすれば。
 全ての策を踏みにじり、いかなる抵抗も粉砕して、神のごとく君臨するに違いない。
 作中ではそれが敵国として現れる。
 ぜひこの作品を読んで、その衝撃を味わってみてほしい。

予想を裏切り、期待を裏切らない名作です。

覇気に満ちた王子サルヴァと智将ディアスという二人の対比が鮮明で、かつそれを取り巻く女性等のキャラクター達も個性豊かで魅力的です。

サブタイトルにもある兜などの小物のアクセントもピリリと効いていて好奇心をかき立て、一話、また一話とついつい引き込まれそうな話の作りとなっています。

もっぱらディアスの持つ大局眼、戦での勝負に固執しないやり口に、もっぱら押されっぱなしの王子ですが(笑)そんなディアスでも、王子でも予期しないどんでん返しの数々が、戦争の不確実性を見事に描いていると思いました。

名将が名将というだけで終わらず、愚者もまた、単なる愚者のままで終わらないというのが、非常に面白い作品です。

あとロリ嫁良いよね

読み応えのある戦記ものでした!

  • 投稿者: ちび麿子   [2012年 04月 12日 22時 44分]
主人公である大国の王子サルヴァと対する小国の総司令官ディアスという二人の主人公の戦いの物語です。
人物がよく書けていると思います。
ふたりとも戦争だけでなく、恋愛やさまざまな人間関係を通じて成長していく(変化していく)のですが、そのドラマも面白い。
もちろん戦闘の場面がこの作品の大きな魅力なのですが、脇役の人間までよく書けていて、それぞれに感情移入できるのもこの作品の優れたところだと思います。
圧倒的なヒーローなどは出てきませんし、主人公のサルヴァ王子は色々な場面で追い詰められて、読んでる方はついつい肩入れしたくなったりするのですが、ラストシーンはある意味ハッピーエンドなのかなと。
続編があるのならぜひ書いてもらいたい作品です。

まさに本格戦記です。

  • 投稿者: 修紫憐   [2011年 12月 21日 00時 25分]
主人公は異世界転生者でもなく、そして魔法や一発逆転の凄い威力を持った兵器も出てこない。
さらにいえば2倍3倍の敵を蹴散らす猛将って言うのも今のところ見受けられません。
あらすじにもあるように、まさに知略のみを武器に戦っています。
そしてその知略戦も単なる裏をかいて奇襲するとか、挟み撃ちにするとかいう物ではなく、ああ、こういう戦い方もあるんだと、新鮮な感じがしました。
主人公は二人で、小国の総司令官と大国の王子様。
その二人の戦いまで少し長いのですが、それだけの主人公達の人間関係が丁寧に書かれており、感情移入出来ます。
個人的には総司令官が好きなんですが、最近なぜか王子頑張れ!と思ってしまいました。
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