イチオシレビュー一覧

女性としてはかなりの長身で、ドレスよりも紳士の服装が似合ってしまう伯爵家の末娘セシル。とある理由で伯爵家の末娘だと表立って名乗れなくなってしまったセシルは、父親に用意してもらったレストランで働いていました。女性に大人気のイケメンシェフとして。

ある日トラブルに巻き込まれたセシルを助けてくれたのは、麗しい黒髪の青年騎士エリオット。愛の告白のようにセシルの料理を褒め称える彼は、なんと女性が苦手だと言うのです。自身の性別について話しそびれたまま、セシルはエリオットとの交流を深めていくことに。

ひとりで生きていくつもりだったセシルですが、エリオットがお見合いすることを知り思わず本音を漏らしてしまい……。

どこか不器用でけれど芯の強いヒロインと、性別不明のヒロインと美味しい料理に翻弄される一途なヒーローのお話。エリオットのまっすぐな言葉に皆さんドキドキしてしまうはず。ハッピーエンドです。

２２８８５字の異世界恋愛。やや文字数が多く感じられる方もおられると思いますが、９部分に分かれ、とても読みやすい作品です。

主人公は伯爵家の末娘セシル。男性と見まごうかとの長身であることを含め、様々な事情の下、生家を離れ、町場のレストランの二階に一人住み込んでいます。

さて、彼女には二つの運命の出会いがありました。

一つは「料理」との出会い。元は伯爵令嬢です。お飾り経営者でよいという話でしたが、いつしか「料理」にはまり、長身美貌の敏腕シュフと目されるようになります。但し、「男性」として。

もう一つは「騎士」との出会い。酔客に絡まれた時、守ってくれた騎士エリオット。

その後、セシルとエリオットは交流を深めていきます。しかし、エリオットは女性が苦手と公言し、セシルを男性と思っているようですが。

力強く生きんとするヒロイン。実直な騎士。その恋の行方。一緒に見守ってみませんか？