イチオシレビュー一覧

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自分が死ぬとしたら、最期に何を残すのか。味わい深い純文学作品です。

 氷河期世代に生まれ、生きるのに絶望した人々が安楽死を許されたディストピアな世界でのお話。

 主人公は、ホテルでの安楽死を選択し、彼の思い出の土地であるホテルの近隣にある遊園地にて過ごすことに。
 そこで一人の少女と出会った彼は、「どうせ使わないなら」と彼女に最期に全財産を手渡すのです。ですがそのお金はある一人の命を救うことになって……?

 味わい深く、とても素晴らしい純文学作品。
 ダークですが面白いのでぜひ読んでみてください。おすすめです。

エッジの効いたタイトルから紡ぎ出される感動作

物語の舞台は安楽死が法的に認可された世界。主人公は遂に安楽死の道を選びます。
最期の日を思い出の地で過ごす主人公が出逢ったのはひとりの少女でした。
彼は彼女に全財産を渡すことを決めるのですが……。

もしかしたらこんな未来が起こり得るかもと思えてしまうリアリティのある設定につい惹き込まれました。コンシェルジュの提案する安楽死パックは多種多様。なんだか他のパターンも見てみたいと思えてしまうくらいに。
或る意味で希望のない世界においても存在する人間のあたたかさに感動必至です。ご興味を持たれた方は、是非。
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