イチオシレビュー一覧

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ここにいる図書委員、ハンパない。

図書室に置かれた文芸誌『山河』を初めとして、主人公・朽葉秤と桜庭奏先輩は身の回りにある謎を推理する。

彼は言う。「天秤が傾いた」と。
彼女は笑う。「正しく神の真似事だ」と。

まったく想定していなかった答えには本気で「やられた!」と思い、当たれば「いよっしゃぁ!」の爽快感。しかし簡単には当てさせてもらえないのがこの物語の夢中になるところ。
一緒に謎を解いていくのがほんっとに楽しいのです。

テンポ抜群。終始笑いっぱなし。
全員の掛け合いが面白すぎて頬のニヤニヤが取れず、読み進めて更に大笑いと。
そんな楽しい!の中に含まれる繊細さに目を奪われ、今度はじん……と心が温まるのです。

追えば追うほど虜になる図書委員たちの謎解き。
天秤が傾く先を、神の視点を。
同じものを見られるように。私は今日も隅々まで読んで、想像して、浸ります。
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