イチオシレビュー一覧

みなさんはフルーツサンドはお好きですか？サンドイッチのパンで、真ん中にクリームと果物を挟んだ食べ物です。
この小説はそんなフルーツサンド、それも恋にぴったりな甘酸っぱいオレンジのフルーツサンドをキーワードにした、大人の、でも甘酸っぱさもある小説です。
オフィスで働く清見は月一回食べるフルーツサンドを生き甲斐に働く女性。そんな彼女の元に、新しく社長の肝煎りで日向という男性がやってきて…というお話。
日向優しさがすごくいいのもいいのですが、何より清見の何気ない気遣いがなんとも自然で、いいなぁと思わされます。
それに何より、オレンジがキーワードの作品に清見、日向という名前を使ったり、恋物語に甘酸っぱさを出したりする心憎い演出が素晴らしいです！
大人が読むにふさわしい甘酸っぱい物語を、ぜひお楽しみください。
おすすめです。

　食事は、生命活動を維持するためだけの行動ではない。

意外に思えて実は当たり前な、でも、大切なことを、こちらの作品は読者に気づかせてくれます。

　「私」こと清見さんは社会人１０年目、仕事に対して明確な目標は無く、恋愛も忙しい中あまり考えていない、どこか灰色な日々を送っています。

　ただひとつ、こだわりの食べ物がありました。「ベルガモット」で販売されているフルーツサンドです。疲れを癒してくれる色・味は、自分へのご褒美でした。

　ある日、清見さんは勤め先にて「背筋がしゃんと伸びた人」日向さんと出会います。二人の縁を結びつける鍵となる食べ物は、なんと「ベルガモット」のオレンジサンド！　甘くて爽やかな香りに、読んでいる側の疲れも吹き飛びます。

私が学生の時、校舎内の至る所にスタンリーキューブリック監督の映画『時計じかけのオレンジ』のポスターが貼ってありました。その映画を宣伝していたのは、有名な学生運動組織であり私は映画を見に行きませんでした。

やがて、レンタル・ビデオやレンタルＤＶＤが、極普通になった時に、この映画の題名を急に思い出し、借りてきて見ましたが、近未来ＳＦ映画であり、犯罪と洗脳物です。

この小説の先生が、まさか同じような作品を書かれる筈も無く、でも題名が『眠るオレンジ』です。もの凄く興味を引かれて読みました。

ネタバレは致しません。
でも、心が、ほんわかする暖かい小説でした。
是非、御一読をお勧め致します。

フルーツサンドが無性に食べたくなるお話です。

お仕事で疲れたときってどうしても甘いものが欲しくなるじゃないですか。
この物語にはフルーツサンドを食べるシーンがあるのですが、それがまた最高のタイミングなんですよ。

お腹が空いて……というのもありますが、色々あった後に最高の形で、最高のタイミングで、フルーツサンドが差し出されるんですね。
それを食べているシーンがまた味わい深いというか……!

恋愛要素もあって、とても読み応えのある作品です。
というか、こんな書き方をしていますが、どちらかといえば恋愛がメインですね(^o^;)
フルーツサンドも恋愛要素も、美味しくいただけちゃう素敵な作品です!