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自分が自分であるために 多くを乗り越え 好きな音楽と友を支えに 心の扉を開いていく

  • 投稿者: terra.   [2024年 02月 09日 12時 53分]
バンド活動に熱を注ぐ主人公と友人達。またその周囲の人間(職員・家族)の心までもがみっちりと描かれた、ロックなヒューマンドラマ。
何故、音楽で、ロックなのか。
数々の音やリズム、テンポが合わさってできる音楽。
時に緩やか、時に激しく描かれる心理描写。
それらが正に「人生」と「ロック」に重なります。
これに限らず、音楽がライブ形式で生々しいサウンドとして聞こえてきます。
音楽制作や楽器の特徴も語られ、知識が増える1作。

しかし、本作には強いメッセージを感じるテーマが別にあります。
今や嘗ての社会よりも話題になる"それ"に悩み、苦しむのは、本作の主人公に限らないでしょう。
彼/彼女が果たして、この先どの様に"自分"を捉えて向き合い、生きていくのか。
出会う人達や経験、好きな事を通じながら、閉ざしていた心の扉に光を迎え入れていく、温度と涙がある物語です。
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