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狂人の過程、そして終着

  • 投稿者: tt   [2025年 07月 13日 23時 52分]
↓注意: 
ネタバレありのレビューです


序盤はテンプレ追放モノ・・・そして強大なチート!
からの、実は追放した側の方の言い分や立場がもっともすぎて、
ざまあ不可能、それどころか主人公の未成熟さばかりが浮き彫りに・・!

そして、うっかりミスで勇者殺しをしてしまった苦悩から、
徐々に狂い続けていく主人公。

普通はどこかで救いやチートなどの王道展開で救済されるでしょうが、
本作は一味違います。

最終話まで見事に狂いっぱなしで、狂人の描写や思考が古今東西最もリアルに描かれていると言っていいほどなので、まさか作者自身も狂っているんじゃないか、読んでいる自分は無事に正常なのか、と考えさせられるほどの不気味な説得力があります。
読んでいてこっちまで頭がおかしくなるのではないかというリアルな恐怖を初めて感じました。
陰鬱とした展開が多いので万人向けではありませんが、特別な何かがあると思います。

「星の旅」まで読んでみてほしい

序盤は遅めの立ち上がりだが、「星の旅」からが本番。テンプレなろうに飽きていた人間にはあまりにも刺激的で絶望的な展開。あぁそうなるのね、知ってたけど苦しい。その後の主人公の境遇はしんどすぎて、一周回って読んでいて楽しい。コミカルなのにシリアス。こんな「なろう小説」もあるんだなって衝撃をうけた。

なろう系を色々読んできた人間にこそ刺さる物語だと思うので、だまされたと思って読んでみてほしい。

夜中に鬱々とした気分の時に読むのにぴったりの作品

カクヨムから来ました。なろう系を「ご都合主義だなー」と漫然とした不満を持ちながらも読み続けている貴方にぴったり。読んで後悔しない刺激的な作品です。タイトルの不穏さはこけ脅しでなく、事実そのもの。最初の展開は若干遅いですが、一度悲劇が始まればあとは不幸が華開いて、彼の人生を彩ります。年末年始はこれを読んで、いい初夢を見よう!!
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