イチオシレビュー一覧
▽レビューを書くとにかくご飯がおいしそう! こんなにも手の込んだ金平や素麺やお茶漬けが食べられるのは、この牢だけですよ。類い希な異能の持ち主、鏡花がこの素敵な牢に囚われているのには深い深い訳があります。このお嬢様、毎日綺麗な着物を着て美味しいご飯を食べるだけでなく、戦います。しかも、戦う相手はかなり厄介。残忍冷酷無比に加え、複雑な因縁も絡んでおります。
県庁異能課イケメントリオも加わり、牢の中はいつも賑やか。笑い、美食、バトル。戦いの翌日の朝ご飯にほろり……弱っている時は雑炊。季節の野菜に焼き魚。作り手のささやかな心遣いが料理から伝わってきます。私もおとよさんのグラタンが食べたい!!
県庁異能課イケメントリオも加わり、牢の中はいつも賑やか。笑い、美食、バトル。戦いの翌日の朝ご飯にほろり……弱っている時は雑炊。季節の野菜に焼き魚。作り手のささやかな心遣いが料理から伝わってきます。私もおとよさんのグラタンが食べたい!!
まず、ダイエット中のあなたに禁を破らせるのは確実です。
めったに顔を見せない、おとよさんの作る美味を九藤先生の筆で描写されるのですから。
美形好きのあなた、誰を推しにするか迷って夜も眠れなくなります。
そして、美しくも戦慄すべき異能バトル。
すべての謎は朱塗りの牢に閉じ込められた少女、鏡花に収斂していきます。
彼女の力をしてみればいつでも脱出できる牢。
彼女を慕う者が集う牢。
謎と耽美に満ちた本作は、あなたの心をとらえて離さないこと請け合いです。
めったに顔を見せない、おとよさんの作る美味を九藤先生の筆で描写されるのですから。
美形好きのあなた、誰を推しにするか迷って夜も眠れなくなります。
そして、美しくも戦慄すべき異能バトル。
すべての謎は朱塗りの牢に閉じ込められた少女、鏡花に収斂していきます。
彼女の力をしてみればいつでも脱出できる牢。
彼女を慕う者が集う牢。
謎と耽美に満ちた本作は、あなたの心をとらえて離さないこと請け合いです。
言葉とは本来無味乾燥のものである。
手に取ることも出来なければ、香りもしないし、舐めてみたって何の味もしない。
しかしながら、この九藤朋という作家によって紡がれると、不思議なことに、そこからは確かに味や香りをまざまざと感じさせられるのである。
本作、『美食牢』は、その名の通り、食事が一つの大きなテーマとなっている作品だ。
平たく言えば、飯テロである。
わけあって牢に幽閉された少女、白衣鏡花に日々供される食事の描写たるや、今眼前に料理がある訳でもないのに、思わず生唾を飲み込まずにはいられなくなってしまう。
そう感じさせる大きな所以としては、やはり、作者の精緻な言葉選びと、それによって織りなされる美麗な文章があげられるだろう。
小説家、九藤朋の真骨頂であるが、それは本作でも存分に発揮されている。
是非おススメの一作である。
手に取ることも出来なければ、香りもしないし、舐めてみたって何の味もしない。
しかしながら、この九藤朋という作家によって紡がれると、不思議なことに、そこからは確かに味や香りをまざまざと感じさせられるのである。
本作、『美食牢』は、その名の通り、食事が一つの大きなテーマとなっている作品だ。
平たく言えば、飯テロである。
わけあって牢に幽閉された少女、白衣鏡花に日々供される食事の描写たるや、今眼前に料理がある訳でもないのに、思わず生唾を飲み込まずにはいられなくなってしまう。
そう感じさせる大きな所以としては、やはり、作者の精緻な言葉選びと、それによって織りなされる美麗な文章があげられるだろう。
小説家、九藤朋の真骨頂であるが、それは本作でも存分に発揮されている。
是非おススメの一作である。
生きるに、衣食住は絶対だ。
本作品は特に、食が重点的だと感じた。
物語を追う度に食の描写が溢れており、豊富で見事な料理の種類を実際に味わってみたくなったほどだ。
忘れていけないのは本作品の中心人物、白衣鏡花だ。
料理を美味しそうに食べる描写、異能の使い手というだけにあって、妖しを瞬に倒す描写は実に爽快だ。
住の描写も魅力的だ。
鏡花の境遇は囚われの身でさぞかし不憫であるが、実際はとても良い環境で過ごしているとわかる描写に、読み手は安堵したことだろう。
九藤朋様。食が薫る、和の咲きをありがとうございます。
本作品は特に、食が重点的だと感じた。
物語を追う度に食の描写が溢れており、豊富で見事な料理の種類を実際に味わってみたくなったほどだ。
忘れていけないのは本作品の中心人物、白衣鏡花だ。
料理を美味しそうに食べる描写、異能の使い手というだけにあって、妖しを瞬に倒す描写は実に爽快だ。
住の描写も魅力的だ。
鏡花の境遇は囚われの身でさぞかし不憫であるが、実際はとても良い環境で過ごしているとわかる描写に、読み手は安堵したことだろう。
九藤朋様。食が薫る、和の咲きをありがとうございます。
上品な檻の中で、美食を嗜む麗しき肝の座った乙女の物語
- 投稿者: 退会済み [2023年 09月 11日 18時 38分]
管理
強力な異能のチカラを持つ麗しい美貌の鏡花は、九曜家の檻に囚われているのですが、いつも美味しそうに香ばしい日本の美食を次々と平らげていく様が、とても微笑ましいです。文章だけで美味しそうな匂いが漂ってくる表現のクオリティの極みに圧巻です。
また、美味しそうな日本食だけでなく、家の中の様子や風景からも、美しい品性のある和のテイストを見事に再現されています。日本の美しき衣・食・住を改めて感じさせてくれます。
ストーリーも明るい日常の中で、鏡花がバリエーション豊富な美食の数々を豪快に召し上がっていたり、宗太郎の届きそうで伝わっていない恋の行方も、微笑みながら堪能できます。鏡花の裏表がない性格も、その明るさと内に秘めた芯の強さにも、かなり好感が持てました。
シリアスな物語も織り交ぜて巧く絡まって、とても味わい深い作品です。
「それでは、存分に『美食牢』の作風をお召し上がり下さいませ」
また、美味しそうな日本食だけでなく、家の中の様子や風景からも、美しい品性のある和のテイストを見事に再現されています。日本の美しき衣・食・住を改めて感じさせてくれます。
ストーリーも明るい日常の中で、鏡花がバリエーション豊富な美食の数々を豪快に召し上がっていたり、宗太郎の届きそうで伝わっていない恋の行方も、微笑みながら堪能できます。鏡花の裏表がない性格も、その明るさと内に秘めた芯の強さにも、かなり好感が持てました。
シリアスな物語も織り交ぜて巧く絡まって、とても味わい深い作品です。
「それでは、存分に『美食牢』の作風をお召し上がり下さいませ」
手練れである。
最初の一文からさり気なく読者を物語世界に誘い、ゆるゆると引き込んでいく手腕は無二とも言える。
流麗にして気負いのない作品世界は居心地よく読者を揺蕩わせてくれる。
殊に美食……とタイトルに銘打ちながら、そこに出てくるメニューの数々は実に日常的で私たちの食卓ですら普通に目にするものだ。それが筆者の手に掛かるとこの上なく美味で尊いものに見えてくる。必殺の飯テロである。
と同時に妖かしの界隈の様など覗かせつつ誘われるミステリーの奥深い謎に惹き込む手管のなんと巧妙なことか。
軽妙にして美麗な筆致のもと、主人公たちの明日とその夕餉に心惹かれてやまない私である。
……さて、カマスの塩焼きでも作りながら、続きを待つとしよう。
健啖な諸氏にもぜひ一読をお勧めする。美味にして端正な作品に病みつきになることは間違いないだろう。
最初の一文からさり気なく読者を物語世界に誘い、ゆるゆると引き込んでいく手腕は無二とも言える。
流麗にして気負いのない作品世界は居心地よく読者を揺蕩わせてくれる。
殊に美食……とタイトルに銘打ちながら、そこに出てくるメニューの数々は実に日常的で私たちの食卓ですら普通に目にするものだ。それが筆者の手に掛かるとこの上なく美味で尊いものに見えてくる。必殺の飯テロである。
と同時に妖かしの界隈の様など覗かせつつ誘われるミステリーの奥深い謎に惹き込む手管のなんと巧妙なことか。
軽妙にして美麗な筆致のもと、主人公たちの明日とその夕餉に心惹かれてやまない私である。
……さて、カマスの塩焼きでも作りながら、続きを待つとしよう。
健啖な諸氏にもぜひ一読をお勧めする。美味にして端正な作品に病みつきになることは間違いないだろう。
幽玄の美があるとすれば鏡花の牢こそそれであるー本文よりーそして「人間にとっても最も快楽とは鍵のついていな牢獄である」フーコの監獄論でありますが。これは社会に支配される人間を揶揄したもの。それとは違う。読書の目の前に次々供される。言の葉に盛られた。美しき表現。そして和洋折衷の料理。どれもが視覚的にも味覚嗅覚をしげきし涎を禁じ得ない。それだけではなく。主人公鏡花の美しさ異能さに加えて。彼女を取り囲む登場人物たちそれぞれ描きも実に魅力的です。百花の乱。舞台の器も素晴らしい。つまり大変な馳走を賜った。遠慮や迷い箸をしてる暇もなどありません。未読の方はぜひ!本作を!この牢の美しき主に会いに来て下さい!心よりおすすめします!
イチオシレビューを書く場合はログインしてください。