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動乱の世に翻弄され傷を負いながらも、自身を見失わず、しなやかに生き抜いた女性

  • 投稿者: 空原海   [2023年 10月 24日 03時 03分 ()]
コンキスタドールがエルドラードを追い求めて南米に足を踏み入れたとき、そこには高度に発達した文明を持つ、都市帝国が栄えていました。

そのうちの一つが、お話の舞台であるアステカ帝国。

人身御供の神事ばかりが取り沙汰されることもありますが、はたして彼等は、コンキスタドールの言うような『邪教の野蛮人』だったのでしょうか。

一方、メキシコに訪れたスペイン人は皆、文明の破壊者だけだったのでしょうか。

受け入れがたい現実に打ちのめされ、深い悲しみを抱きながらも、それぞれの命をまっとうする人々の姿に感動します。

悲劇で終わるのではない、丁寧に描かれた信頼や絆。
様々な交流、様々な愛の形。

壮観の歴史物語です。
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