イチオシレビュー一覧

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最初はコメディーかと思いきや……

 最初の冒頭は、死神であるジンクスは冥界の司令で、聖女メアリーに「お前の命は後3年だ」と告げた。
 すると、メアリーは悲しむどころか「本当ですか!」と喜んでしまったのである。
 何で喜んでいるの?

 最初はコメディーかなと思って拝読しておりましたが、ただ面白いだけではなく、話にも重みがあり、様々なことを考えさせてくれる作品です。
 心温まる素敵な物語ですので、是非ご覧ください。

おまえの命はあと三年。そう言われたら、あなたはいったい何をする? 聖女メアリーの場合は──

聖女メアリーは、ある日突然、死神に宣告されてしまいます。余命が三年しかないことを。
ところが彼女は悲しみません。それどころか、うれしそうに世直しの旅に出てしまうのです。

あせったのは、宣告をした死神ジンクス。ちょっと待て、少しは悲しまんかい!
思わず彼女を追いかけたジンクスですが……。

どこか童話や寓話にも似た、軽やかな読み心地のお話です。
しかし語られるテーマは、けして軽くありません。
現実のニュースで日々語られている、戦争のこと。独裁者のこと。貧困のこと──そうしたことを思い起こさずにはいられない、強い力をもった物語なのです。

聖女についていった死神は、いったい何を見たのでしょう。ぜひ彼と一緒に、メアリーの旅をごらんください。
そして、ラストに訪れる感動を、ともに味わってみてください。
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