イチオシレビュー一覧

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毒とは、斯様に色鮮やかなものなのか。「毒の川に捨てられ毒に愛された少女は令嬢となり、「猛毒兵器」として育てられ、暗殺すべき皇帝陛下に「私の侍女になれ」と誘われる」という甘美!

一見、ダークファンタジー作品である。
しかしながら本作は紛れもなく、異世界恋愛の話だと私は思う。

主人公のニーシャは、ヘドロのような川に捨てられた。彼女は毒を啜り生き延びて、身の内に毒を宿す。
更にニーシャの苦難は続く。拾ってくれた公爵は、ニーシャを暗殺者に仕立て上げたのだから。

暗殺者となった彼女は、運命と出会う。
初めて知る人間の温かさと真の愛情は、彼女を変えていく。このあたりの描写は、読み手の胸を打つ。

この物語は、不遇であった少女の、成長譚でもある。最後まで一気に、読んでいただきたい!
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