イチオシレビュー一覧

文体や描写の仕方が淡々と安定しているので、サクサク読み進められる。
主人公の後ろ楯となる美しい魔族は少女の人格ではなく、彼女が育てることとなる魔族の子のために彼女という存在へ想いを向けている。
主人公はその、優しくもどこか不穏でいびつな愛に護られながら、人間としての種族意識と、魔族に肩入れしなければ生きられない自身の立場に揺れている……ように見せかけて、今のところ割と自分の生き方を貫いて好き勝手してる印象です。

本格的に面白くなるのは数えれば９話目にあたる、「魔族の婚姻式」というタイトルの辺りから。
そして個人的にいま、いちばん面白い場面だと思っているのが最新話の「魔族の少年」です。先述した『揺れ動き』に少し焦点があてられはじめたようでドキドキです。
不定期更新となってしまいましたがぜひ完結まで見届けさせて頂きたい。
そんな思いを込めてこのレビューを投げます。みんなにも読んでほし！！