イチオシレビュー一覧

人と獣の二つの姿を持つ獣人。主人公のエキナは巨大な蛇と人間の姿を持つ獣人の少女で、人間に奴隷として使われている獣人たちを解放するために革命をおこす――というお話です。
単純に王を倒して獣人たちが解放されてめでたしめでたし、とは当然ならず、エキナがどのように「革命」をおこすのか、なぜ獣人が奴隷として人間に扱われているのか、そもそも獣人がなぜ存在するのか、というのがこの話の見所だと思います。
そこにも関わってくるのですが、作中に出てくる「祝詞」と「神話」の話がとても好きです。
エキナに婚姻と革命を持ちかけてくる貴族の男リアンド、エキナを慕う召し使いの娘ロゼ、怪しい？占い師、飄々とした王の息子、と他にも魅力的な登場人物が多いです。（個人的には健気でかわいいロゼがお気に入りです！）
完結済みですが、エキナや彼らがこの後の世界でどう生きていくのかも見てみたい、そう思える作品でした。