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確かなリアリティーに裏打ちされたファンタジー小説

  • 投稿者: 退会済み   [2016年 03月 26日 17時 31分]
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この作品はファンタジーです。
ですが「この話は本当にあった話じゃないの?」と思わせるほどよく下調べがしてあります。

作者の美麗な情景描写により、インカの生活様式が目に浮かぶようです。

また、群像劇としても出色だと思います。

一、二話で皇子クシの王族らしからぬ快活さに惹かれ。
弟であるクシを盛り立てようする性格の異なる兄ふたり。

皇太子に推戴されているのに、己の能力の低さを自覚しているあまり、卑劣な手段でクシを陥れようとする異母兄のウルコ。

跳ねっ返りだと思っていたヒロインのキアヌが女性として成長していく様子。

自身の女性としての幸せを半ば諦めながらも、キアヌのただひとりの理解者として献身するティッカ。

他にも登場人物がたくさん出てきますが、それぞれが生き生きと魅力的に描かれています。

重厚な物語を読んでみたいという読者におすすめの一作です。

作者の努力が溢れる作品です!

まず思ったのは時代背景について小説を書くというレベルとは思えないくらいによく調べ込んでいることです。
これは創作小説というよりも年代記として読んでも大丈夫なのではないかと思ってしまいました。
作者さんの文章力も非常に高く、背景や情景がどんどん浮かんできます。
顔良し、頭良し、人格良し、そして無敵に近い強さを持つ皇子クシ!
そんなクシ皇子も皇太子ウルコの嫉妬によって次から次へと不幸に追いやられてしまいます。
しかしそこは主人公!
そんな境遇すら味方に付けてどんどん成長していきます!
彼の活躍にはどんどん引き込まれてしまいます。
インカの歴史への興味がある方は勿論、そうでない方も是非読んでみてください!
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