イチオシレビュー一覧
▽レビューを書く記憶はあやういものです。
どれほど大事なこと、憶えていなければいけないことの記憶であっても変わりません。起こったはずの出来事を忘れていたり、なかったことを経験したことのように思いこんでしまったり......。
物語の主人公である新藤藍(しんどう・あい)も、自分の記憶のあやうさに戸惑います。早くに母をなくした藍は、娘の自分が愛されていたのか自信がもてなくなっている。
記憶のあやうさに拍車をかけるのが「もう一人の母」らしき女性についてのイメージ。断片的でおぼろげでありながら妙に現実感もあるその記憶に、藍はますます母の愛情を疑ってしまいます。
でも、彼女の記憶を揺さぶるそのイメージは、幼すぎて憶えてすらいない、母から受けたはずの愛を思い出させるための、幸せな日々の呼び声だったのかもしれません。
8,000字ちょっとの短編ですが、世代を越えたつながりを感じさせる作品です。
どれほど大事なこと、憶えていなければいけないことの記憶であっても変わりません。起こったはずの出来事を忘れていたり、なかったことを経験したことのように思いこんでしまったり......。
物語の主人公である新藤藍(しんどう・あい)も、自分の記憶のあやうさに戸惑います。早くに母をなくした藍は、娘の自分が愛されていたのか自信がもてなくなっている。
記憶のあやうさに拍車をかけるのが「もう一人の母」らしき女性についてのイメージ。断片的でおぼろげでありながら妙に現実感もあるその記憶に、藍はますます母の愛情を疑ってしまいます。
でも、彼女の記憶を揺さぶるそのイメージは、幼すぎて憶えてすらいない、母から受けたはずの愛を思い出させるための、幸せな日々の呼び声だったのかもしれません。
8,000字ちょっとの短編ですが、世代を越えたつながりを感じさせる作品です。
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