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身近にある気まずいもの

宅配の不在票というものは、見るとなにか気まずい気持ちになる。せっかく届けに来てくれたのに、受け取れなかった。配達員には完全に無駄足で、申し訳なさを感じてしまうものだ。
配達というものが当たり前になって、不在票も普通に見るようになる。だからこそ、普段よく見るそれに一層申し訳なさを感じる。

その不在票をキーにしたホラー作品だ。不気味な配達員の謎と、その他いくつかのおどろおどろしいモチーフを積み重ねて、作中に登場する語り手たちを追い詰める。
不在票という身近なものがきっかけというのが、より生々しさを感じさせて怖かった。日常から地続きの異変がじわじわと近づいてくる、なんとも言えない恐ろしさ。それに気づいた時には、きっと手遅れなのだろう。そんな理不尽さと、正体のわからない恐怖を強く感じられて、怖かった。

本物の恐怖をあなたに

  • 投稿者: 間咲正樹   [2025年 02月 15日 18時 00分]
みなさんは、この世で一番怖いものは何だと思いますか?
斧を持って追いかけて来る殺人鬼?
毎夜枕元に立つ幽霊?
パワハラ上司?
確かにそれらも怖いとは思いますが、私は本作のようなお話こそが、この世で一番怖いと思っています。
本作を読めば、みなさんも本物の恐怖を味わうことができるでしょう。
ちょうど本日完結いたしましたので、一気飲みに最適!
この機会に、是非ご高覧ください!
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