イチオシレビュー一覧
▽レビューを書く白木蓮を読ませていただきました。
主になるのは、中堅貝原さんと新人内田さんにフォーカスした、六花本舗人事部での出来事。「誰か」の日常をのぞいているような気分で読み進めました。
作者の笠原さん自身、主観の「私」と同じで、心の機微に敏感な方なのだと感じました。そして秀逸なのは、「私」の綺麗な感情ばかりでなく、人間らしい感情も隠さず伝えているところ。「他人と比べられた上で褒められた」のに、それを嫌悪しつつも優越感を覚えてしまう…なんて、繊細な感情を拾い上げる描写に惹かれます。
私は完全な「いい人」を今回の会社ではやめようと決意している。内田さんはできることに必死で空回りすることもある。そして内田さんを叱る平手さんも、完全に嫌な人ではない。
本当にみんな、“リアル“。でも物語ならではの温かみが微かにあり、それぞれに感情移入しました。
主になるのは、中堅貝原さんと新人内田さんにフォーカスした、六花本舗人事部での出来事。「誰か」の日常をのぞいているような気分で読み進めました。
作者の笠原さん自身、主観の「私」と同じで、心の機微に敏感な方なのだと感じました。そして秀逸なのは、「私」の綺麗な感情ばかりでなく、人間らしい感情も隠さず伝えているところ。「他人と比べられた上で褒められた」のに、それを嫌悪しつつも優越感を覚えてしまう…なんて、繊細な感情を拾い上げる描写に惹かれます。
私は完全な「いい人」を今回の会社ではやめようと決意している。内田さんはできることに必死で空回りすることもある。そして内田さんを叱る平手さんも、完全に嫌な人ではない。
本当にみんな、“リアル“。でも物語ならではの温かみが微かにあり、それぞれに感情移入しました。
現代社会のパワーハラスメント、オーバーワーク、利己主義などを描いた作品ですね。
純文学を銘打ってるのですけども、そのせいかキャラクターの掘り下げは浅めです。
人間社会の終わってる部分……強い立場の者が弱い者を甚振り、到底処理できない量の仕事を「皆がやってるから」と押し付けられ、自分が良い目を見れるのであれば他人など知るか、という素敵なモノを浴びるための作品ではないでしょうか?
純文学を銘打ってるのですけども、そのせいかキャラクターの掘り下げは浅めです。
人間社会の終わってる部分……強い立場の者が弱い者を甚振り、到底処理できない量の仕事を「皆がやってるから」と押し付けられ、自分が良い目を見れるのであれば他人など知るか、という素敵なモノを浴びるための作品ではないでしょうか?
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