イチオシレビュー一覧

　バウスフィールド侯爵家が主催している夜会で、嫡男であるダリル令息が婚約者のエイプリル嬢に、キャシー男爵令嬢を虐めたとして婚約破棄を言い渡した。
　それに見かねたアシュベリー男爵家令嬢のヴィオルが、執事が調べていた証言を叩きつけ、キャシー嬢を断罪するものの、ダリル令息はしれっとエイプリル嬢と元鞘に戻ろうとして……。
　そんなの許せるわけありませんわ！

　この物語は読んでいて本当にスカッとするわかりやすい勧善懲悪ストーリーです。
　そして最後の衝撃な展開も待っているため、最後までワクワクが止まりません。
　是非今１度ご覧ください。

４６３３字の異世界恋愛です。さて、恋愛描写の名手が今回見せてくれた新しい切り口は……

ヒロインは男爵令嬢を称するヴィオラ。執事のセバスを従え、夜会のスイーツを堪能しています。

そこで勃発したのは婚約破棄劇。貴族令息ダリルが抱きかかえている男爵令嬢キャシーをいじめたという理由で弾劾、婚約破棄を宣告します。

ここでヴィオラの命でセバスが出動。キャシーの虚言を論証し、キャシーの目論見は泡と消えます。

問題なのはここから。何事もなかったように元鞘に収まろうとするダリルを今度はヴィオラが弾劾。「男爵令嬢風情が」といきるダリル。しかし、ヴィオラの正体は？

行動と言動には責任が伴います。自分は偉いのだから特別なんて思っていると痛い目見ますよ。

現在もこれでもかと流行っている婚約破棄モノ。
もはや星の数だけこの世に存在しているかもしれないそんなジャンルにまた一つ、新たなる婚約破棄モノが生まれました。

そしてそんな本作は、主人公達が、とある令嬢への婚約破棄を仕掛けた側の陰謀を暴くところから始まり、そしてそれによってがっつり騙されていたにも拘わらず調子のいいことを言って元鞘に収まらんとする……読者のヘイトをこれでもかと集めるヤベェ令息との対決へと繋がっていくお話です。

しかも最後は、まさかの展開が待っています。

婚約破棄モノの最前線を是非ご高覧ください。