イチオシレビュー一覧

序盤のサオリの無邪気さ、終盤のトオルの覚悟など、この物語は引き込まれる要素がたくさんあります。
特に、終盤のトオルの覚悟には胸を打たれるところがあるでしょう。
残酷な世界の中で、真っ直ぐ想いを貫くトオルの姿には切なくなること間違いありまあせん。
世界で何が起こってしまったのか、是非この物語を読んで確認してみてください。

あいも変わらずの創造を絶する、ちみあくた先生の力作。

復帰、第一作です。ですが、この小説の中身は、私がいつも書いている世界最終戦争の後での、不思議な物語りに、仕上がっています。
ただ、世界の終わりを描写するだけでは無く、その中で、雄一、生き残った、主人公とその幼なじみ（？）との、時間の経過の推移のギャップ。

この時間のパラドックスを、見事に、描いています。単なる世界の終わりを描くのでも無くて、そこに残された、人間の心の葛藤までもが、一輪の花がしおれて行くような繊細な描写で描かれているのです。

きっと、不思議な読後感に襲われるでしょう。
でも力作です。
是非、一読あれ。