イチオシレビュー一覧

６７８６字の異世界恋愛です。恋愛描写の名手の切り口は今回も斬新です。

ヒロインは貴族令嬢のアナベル。婚約者であるダリルが嫡男であるワインバーグ侯爵家のパーティーのホスト役をかいがいしく務めています。

今現在もジャスティン・ウルフスタン辺境伯閣下を接待していたところです。

ところが当のダリルはこの場にいません。どうしたのかと思っていたところへダリル登場。

登場と共に男爵令嬢のキャシーを脇に抱え、アナベルに婚約破棄宣言。踏んだり蹴ったりとはこのことです。

その後、ウルフスタン辺境伯からアナベルに結婚の申し入れが。但し、お飾り妻との条件が書かれて。

傷物の自分ではお飾り妻でもやむなしと思い、結婚を受け入れたアナベルですが、実は辺境伯領では、「お飾り妻」の定義が他と違っていて……

ヒロインは健気に頑張ってきました。そして予想外の幸せが待っていたのです。ハピエンです。

こんな言い伝えがある。

ある村に住む男の妻が病気になったんだが、その妻の病気を治せるのは、山をいくつか越えた先にある前人未踏レヴェルの地形の中に屋敷を作った、医学の心得があるとある貴族だけだった。

ちなみに貴族は、薄っぺらい人間が嫌いで、病人のために命を懸けられる者の願いだけ聞きたくて……そんな家を造ったそうな。

そしてその貴族の噂を聞いた男は、妻を抱っこ紐を使い抱えたまま貴族のもとへと、命懸けで向かい……妻は助かったそうじゃ。

そしてそれ以来。
男の住む村では愛する妻を抱っこ紐で抱え愛する風習が生まれた……そんな言い伝えが。

そして本作は、まさにそんな村のモデルになった領地において展開する異世界恋愛モノです。

婚約者を理不尽にも振る、従来のざまぁされる側があーっ！　となるスカッと系ラスト、必見ですよ。




















あ、言い伝えについては嘘です（ォィ