イチオシレビュー一覧

　百川亜子は、殆ど話したこともないクラスメイトの九十九彰に、奇病であと余命が100日しかないと告げられる。
　そんな今まで静かであった彼が様々なことに積極的になり、そして2人の仲も深まっていくのだ。

　タイトルから分かります通り、結果はタイトルの通りになります。
　結末が分かっているから面白さは半減するのか？
　いいえ、寧ろこの作品に関しては逆です。
　最初に種明かしをされているからこそ、その2人の途中過程がより惹きつけられ、2人の心情により深く踏み込むことが出来るのです。
　とても濃厚で素敵な作品です。
　残りの余命を大切にしようと頑張って活躍していく格好いい九十九くん、そんな彼をそっと見守る優しい百川さんを、是非自身の目を通してご覧くださいね。

なにより先に素晴らしい作品を世に示してくださった作者に感謝したい。まず謝罪しておく。この作品の良し悪しは良くも悪くもタイトルに集約されている。オチを先にバラしてしまっているのだ。「誤診」とまで記されているのだから、作者はもはや逃げようがない。しかし、するするとなんの疑いもなく読めてしまう。どきどきもするし、ハラハラもする。しばしばタグに「ハッピーエンド」と記す方がいるが、それについて私は「阿保か」と考えていた。最初から手の内を晒してどうするのか、と。ただ、そのへん、本作を読んで意識が変わった。素晴らしいものはどうしたって素晴らしいのだ。

私はこと書籍化作家様の作品はバイアスありきで拝読する。「人気があっても上手ではないだろう」とか思うのだ、厭らしいことに。

当該作者は確実だ。

世界において何が綺麗なのか、彼（彼女）はご存じなのだろう。

サイコーだったよ、やまだのぼるっ（＞＿＜。）