イチオシレビュー一覧

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面白いけれど少しむず痒いかもなあ

  • 投稿者: 退会済み   [2020年 10月 12日 04時 39分]
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Ep.5まで読了のレビュー

なかなか面白いです。
ハイファンタシー+ローファンタシー+サイバーパンク風味を少々といったところでしょうか。
魔法の扱いを源素の立体構成とその変形とした世界設定は納得を得られやすく没入感を助けます。

こうした設定が目新しいかと言えば決して目新しくはない――例えば魔法陣というものがトリガーになっており、魔法陣の中に記述された文字列が魔法力の動作を規定するプログラミング言語的な扱いの作品はいくつかあるし、設定としては似通ったものが根底にあるので――のだけれど、異なる世界の状況説明としては『魔法=すごい』で終わる凡百の作品よりは好感が持てます。

ところが、サイバーパンク風味を醸し出すためなのか、使われている言葉がむず痒くなるのです
例えば『パソコンの知識』という言葉とかね

むず痒さを楽しむことができるならおすすめかな

世界はいまや改革の時

 インターネットの普及は文字通りわたしたちの世界を変えた。アラブの春においてはフェイスブックなどのネットでつながった若者たちが独裁者を打倒し、新時代への産声をあげている。身近なところにおいても、もはやネットはわたしたちの生活とは切っても切れない存在となっている。

 かつてそのインターネットがまだ一般的な概念でなかった時代に「攻殻機動隊」という作品が発表され、難解ながらも一部の人間はその世界観と作風に脊髄まで魅了された。

 この「ななしのワーズワード」も、攻殻とおなじ匂いを感じる。そんなわけはないのに、読んでいるとまるで自分の頭が主人公たるワーズワードなみに良くなった錯覚に陥る。これがねらいだとすれば、作者は稀代のエンターテイナーか詐欺師のどちらかだろう。知的な麻薬とさえいっていい。

 その魅力にはまれば抜け出せないワーズワードという麻薬。あなたも試してみませんか?
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